初めてのインド行き、楽しみでもあるが、不安も少々。そこで、色々調べて行った準備についてまとめてみた。旅行後に結果も追記予定。
このページ最後に書いたが、ネパールも同様か山の中なのでもっと悪いかも知れないと想定する事にする。まあ、今回のインドの経験が準備に役立つだろう。
- 水
もちろん水道の水は飲めない。
2014年にロングステイ アドバイザーの資格を取る為の2日間の講習会に参加した時だ。講義の一つが旅行医学で専門の先生が来て話してくれた。
日本人が観光で出かける国の中で一番水道水が汚染されているのがインドだと教わった。土の中で上水道のパイプと下水のパイプが近い上に、至る所で壊れている為、下水が上水に混ざる例がある。つまり上水に大腸菌などがウヨウヨ。歯を磨いたり、顔を洗ったり、シャワーを浴びたりする時に、水が口に入らない様にする必要があると言う様な話だったと記憶している。
ペットボトルの水はどうかと言うと、単なる水道水を詰めた偽物が多く売られているので、安全なのはガス入りのミネラルウオーター。開ける時にプッシュ!と音がしたら本物!と言う話だった。
それ以来、僕のインドのイメージは汚い水道水とそれが詰められた偽物ボトルだった。
ただし、この先生の話の情報源は、そのまた何年前の事だろうか?もしかすると今から20年以上前のインドのどこかの街の話かも知れない。
では、2025年の現在の東南アジアはどうだろうか?
水道水が生で飲めないのは東南アジアはどこでも同じ。今でもマレーシアで歯を磨くのにペットボトルの水を使っている日本人はいるだろう。だけど我が家は洗顔もシャワーも普通に水道水だ。飲み込まない様にしているだけ。でも飲み込んだら腹を壊すとは思っていない。心配はしていないが、騒ぐのなら大腸菌より化学物質など別の環境汚染物質の方が問題だろうと思っている。
では2025年のインド旅行の水対策はどうするか?
とりあえず洗面台には買ってきた普通のローカルのペットボトル入り水を用意して、これで口をゆすぐ事にする。大きめのスーパーで買えば偽物は無いだろう。また、いちいちペットボトルの蓋を開けて斜めにするのが面倒くさそうなので、それ用の容器を買った。RM5。

飲み水は、同じペットボトルの水を電気ポットで沸かして、湯冷しを作ってペットボトルに戻しておき、それを飲む事にする。
- では氷はどうか?
マレーシアに住み始めて7年、レストランやホーカーでは普通にアイス入りの飲み物を飲んでいる。今時、氷を自分のところで製氷している店は皆無だ。工場でフィルターを通した水で大量生産している。一度も水や氷でお腹を壊した事は無い。(と思っている)
氷に関してはインドはダメだと理解している。レストランやカフェでは、温かいものしか口にしない様にする。生野菜も水道水で洗っていると考えるべきで、不可だ。
- 結膜炎(目の感染症)
シャワーを浴びる時に水が目に入って結膜炎などになるケースが多いので、抗菌目薬を持っていくようにと言う記述を見た。なるほど、マレーシアでも時々目がやけに痒くなって、抗菌目薬は手放せない。ましてやインドでは手放せない。絶対に忘れないようにする事。
- 食中毒
目的の一つが本場のケララ料理を食べる事なので、ホテルや観光客用のレストランではなく、主に地元の人が食べるレストランに行く事になる。そこで食中毒が心配。
念のため近所のクリニックで細菌性胃腸炎の抗生物質を処方してもらった。脱水症状予防の為に粉ポカリも持参。
マレーシアに7年住んだ経験からすると、レストランの衛生状態で一番怪しいのは食器だ。次に食材。
食材は流行ってる店で食べればまず問題ない。住み始める前を含めた過去10年で食中毒になったのは1回のみ。人気のない閑散としたフードコートで、魚のフォイル焼きを持ち帰って食べた時だけだ。こう言う時は、料理そのものも美味くなかった。繁盛している店で加熱したものだけ食べていれば大概大丈夫だろう。
問題は食器。我々が住む前は食器のリスクを避けるために持ち帰りをしたが、今回はその手は使わない予定。
皿に関しては、やはりよく加熱された料理は、食器に付いた雑菌も殺すかも?と想定。
ではカトラリーはどうするか?ここからはインド特有の話。
通常インド人は右手の指を使って食べる。マレーシアやシンガポールで見ているとカトラリーを使う人もいるが、ケララではほぼいないらしい。ウチのオバサンも指で食べる。僕だけ無理なのでスプーンで食べる。だからマイスプーンを持って歩く事にする。自分で洗えば安心だ。
蛇足だが、そう言う状況だから、以前はカトラリーを置いていないレストランが多かったらしい。今は多分置いているだろうけど、どんな管理をされているか微妙だ。万が一店のスプーンを使う時は、ウエットティッシュにアルコール振りかけて、それで拭いてから使うとするか。
- ビザ
これについては、正確な情報を得るのが難しい。もちろんインド政府の発行手数料(ビザの価格)はUSD建てで公表されている。日本人の場合、30日のビザがUSD25(RM109相当)。ただこれに訳のわからない代理店手数料が乗っかる。
イポーの代理店に聞いたらRM50と言われた。まあ良いかと思って頼んだら、最後にビザ代含めてトータルRM300と言われる。やっぱり、やられた!
ケララが気に入って、また行こうと思ったら、今度日本に帰った時に東京のインド大使館に行って5年ビザ取ってくる事にした。
- 両替
これも結構厄介。
どうもインド政府はインディアンルピーの国外持ち出しを認めていないみたいで、近所の両替所ではルピーの在庫があまり無い。この前行ったら「いつもは無いけど今なら4000ルピーあるよ」なんて言われた。即両替したけどたったの8000円弱。
そこで2つの方法を試してみた。
① 国際送金サービス
Western Unionというどこでも看板を見るサービスがあるが、今回はヘソを曲げてWiseに挑戦して見た。多分インドなどの南アジアでは、western unionの方が現金志向で、外国人労働者が本国の銀行口座を持っていない家族に現金を送る事に使われていると想像した。Wiseはアプリ内と銀行口座のやり取りがメインの印象。なので今回の目的、つまりインドで現金を入手する事では、western unionの方が合っている様な気がする。
一方で、WiseではWise専用のデビットカードを使って、現地の銀行ATMから、有利なレートで現金を引き出す事が出来るとうたう、旅行者向けのサービスがある。これが使えそうだが、今回はカードの配達が多分間に合わない。
アカウントの作成はパスポートの写真ページの送信やら、住所確認の為の資料(最初はマレーシアの運転免許証でやったが受け付けてもらえず、インターネット契約の請求書でパス)やら、顔認証の為のカメラ撮影やら一通り済ませてやっと完了。
入金は、まず日本円で試した。日本円を選ぶとPayPay銀行の自分専用の口座に入金する様に指示される。5000円入金して見たが日曜日だったので翌日まで結果分からず。(翌日月曜日の日本時間8時半に入金を確認)
次にWise専用のデビットカードを注文すると手数料がRM13ほど必要との事で、仕方なくマレーシアリンギットをRM100入金する。これはOnline Bankingで即座に入金。ここが日本とマレーシアの違いか!
デビットカードも注文するが、配達はインドへの出発後になる様だ。
と、思っていたら出発前日に届いた!すごいスピードだ。日曜日の午後に注文して、火曜日の昼に届いた。それもKLではなく田舎町に。
上記デビットカードのアクティベートは、どこかのATMでPINを入力して現金を下ろすか残高紹介をするだけだという。インドで一発勝負でやってみる手もあるが、安全をみてマレーシアのATMでやってみる事にした。結論は手数料無しで現金が引き出せた。一石二鳥、これでアクティベートとやり方の確認ができた。
② キャッシュレス決済アプリ
調べてみるとインドもマレーシアみたいにQRコードをスキャンして支払うアプリが色々あるが、それがUPIという国主導の決済ネットワークで繋がっているらしい。したがってマレーシア同様に一つのQRコードでどのアプリでも支払えるらしい。今のところ「らしい」ばっか。(Monyのサポートに確認したところ、Monyはどの店のQRでも支払えると言う事)
そして最近このUPIアプリが外国人観光客にも開放されたという話。
早速、外国人観光客もOKとうたうMonyというアプリをインストールして使ってみた。と言っても、支払いは出来ないので入金までだが。
アカウントの作成にはKYC(Know Your Customer)と呼ばれる本人確認が必要。パスポートの写真などをonlineで送って処理が完了。Monyの特徴はKYCをonlineで終了出来る事だ。他の大多数のアプリはインド入国後に所定の場所で物理的に行う必要がある。とりあえず、Monyのアカウント作成は比較的簡単でスムーズだった。後ほどwhatsappに完了の連絡が入る。
まずはクレジットカードで入金した。三井住友ビザのバーチャルカードだ。ただし、10,000ルピーに対して350ルピーも手数料がかかる。まあ、国際カードの手数料を考えると妥当なところか。
次に前述のWiseからMonyのUPI ID宛に送金して見た。UPI IDで検索すると自分の名前が出てきた。OK。ところが、これが失敗に終わる。Wiseから「送金先のUPI IDがブロックされている」とのメッセージ。MonyのサポートにWhatsAppで確認したところ、外国人には店やレストランでの支払いは出来ても、外部からの入金を許可していないとの事だった。当分はクレジットカードでの入金のみ。
次なるチェックポイントは、現地でそれも小さなレストランや小売店で本当に使えるかどうか?
- コンセント
インドのコンセントは特殊な丸3ピンがメイン。他にヨーロッパの丸2ピンもあるとの事。その上、丸3ピンにはMとDの2種類あるとの事。
仕方がないのでホテルに聞くと、Dだと言う。Dはヨーロッパの丸2ピンがさせる(使える)との事で、とりあえず丸2ピンのアダプターを持って行く事にする。もしダメなら現地でアダプターを買うことにする。
- 最近のインドの衛生・医療事情
外務省のサイトに「世界の医療事情」と言うページがある。この情報は現地駐在の医務官が情報収集したものとの事で参考になりそうだ。ただし、内容は結構辛辣なので読むと行く気が無くなる。まあ、日本の感覚で“のほほん”と行く日本人観光客に対して注意喚起していると理解。
同じく外務省の「世界の医療事情」にネパール編がある。それを読むと「もしかしたら、インドより悪いかも」と思ってしまった。
あと在インド日本大使館がサイトに観光客向けの注意喚起を出しているので一読した。
【現地報告】
上述の色々な心配と準備について、現地ケララのコチに5日間ほど滞在してどうだったか?総括してみると以下の様になる。
- 水・氷
もちろん水道水を飲む事はしなかったが、歯磨き等で口をゆすぐ時は、水道水で何度かゆすいで、最後にコップに入れた飲み水でゆすいだり、うがいをしたりした。
泊まったホテルにはペットボトルの水以外にガラス瓶に入れた浄水器の水が配られるが、平気でそれをそのまま飲んだ。
レストランでも、無料で出てくる水をそのまま飲んだ。主にライムソーダだが、冷たい飲み物も注文して飲んだ。ただ、氷が浮いている様な飲み物は出てこなかった。
ただし、入ったレストランは比較的上のクラス、中程度以上の店だった。全くの庶民的な店には一度しか入っていない。そこで出て来たジョグの水は熱くて明らかに湯冷ましだった。
最後の日(2月3日)に入ったカフェも客のほとんどは地元の人だった。冷たい飲み物も飲んだ。
- 結膜炎
全くもって何とも無かった。目薬の出番無し。Ernakulam の水道水はマレーシアのそれより綺麗なのか?
- 食中毒
持って行ったスプーンの出番は全く無し。どのレストランでもカトラリーはある。事前にテーブルの上に出ている店が多い。マレーシアのレストランのカトラリーより見た目は綺麗そうだった。(まあ、菌は見えないが)アルコールで拭いたり、除菌ウエットティッシュでこすったりせず、気にせずそのまま使ったが何の問題も無し。
- ビザ
Y先生は自分で申請したとの事。質問事項が多く、多岐に渡っているが、自分でできる。次回からは、自分でe-Visaを申請するか、東京のインド大使館で5年のVisaを申請する。
- 両替
① 国際送金サービス
Wiseのデビットカードは使える。
ケララ・コチのホテル近くの小さなATMで試しに1000ルピー下ろして見た。全く問題なく引き出せた。ATMの手数料も無かったので、JPYからINRへの両替時に若干Wiseの手数料がかかるだけ。
また、デビットカードをクレジットカードのように使えるので、店の支払いもできる。
為替レートは確かにクレジットカードより良いようだ。下のケースの1と4が同じ日だが4%ほど良い
- 住友Visa 1.8692 1/31 Shop
- Wise 1.8025 2/2 Restaurant
- Wise 1.8019 2/1 to Mony
- Wise 1.7940 1/31 JPY to INR
② キャッシュレス決済アプリ
ほとんどの店で使える。特にスマホのない爺さんドライバーを除いて、大半のオートリキシャで使えるし、Uberドライバーは皆OKだ。
ただし支払いに失敗する事もある。相手によるみたいだ。問題は、すぐに結果が出る失敗(Fail)ではなく、保留(Pending)になることが2回あった。特にライドシェアではそうなると困る。支払いが完了するまで何分も待ってられないので、仕方なく現金を払った。でも後で見たら完了になっていた事がある。二重払いした事に。動く相手には少額にとどめた方が良い。
旅行者向けはクレジットカードからの入金しか出来ない上に、3.5%の手数料が乗る。やっぱり少額決済の便利手段と捉えるべき。
- 虫除け・蚊予防
2月1日の旅行記に書いたが、ディートが入っているフマキラーのスキンベープを持って行って塗ったが、汗をかくと直ぐに効かなくなって蚊に刺された。ディートを過信してはいけない。
ホテルそばの薬局で買ったOdomosの虫除けクリームを手足に首まで塗った。クリームの割にベタつかず匂いも少ない。赤ん坊にも安全で8時間持つと言う。現地には現地のものが良いか。その薬局にはほぼOdomosしか置いていなかった。モスキートと言った瞬間にコレを勧められた。ベタベタと大量に塗るので一番小さなチューブはすぐ無くなる。
- コンセント
部屋には2種類のコンセントがあった。


ヨーロッパ式の丸2ピン式に変換するアダプターを持っていれば、まずどこでもOKの様だ。